学会無事終了しました
小井土 善彦 2025年06月01日
横浜を出発した金曜日は、上着が必要でしたが、学会が開催された名古屋も晴れて、気持ちの良い一日でした。


活躍されている多くの先生や若手の研究者から、たくさんエネルギーをもらうことができました。来年は、岡山とのこと。今から楽しみです。
小井土 善彦 2025年06月01日
横浜を出発した金曜日は、上着が必要でしたが、学会が開催された名古屋も晴れて、気持ちの良い一日でした。
活躍されている多くの先生や若手の研究者から、たくさんエネルギーをもらうことができました。来年は、岡山とのこと。今から楽しみです。
serie89_admin 2025年05月29日
明日から6月1日まで、第74回(公社)全日本鍼灸学会学術大会 名古屋大会に参加してきます。30日の午後から31日にかけ、院長不在ですが、診療は行っていますのでご利用ください。
当院は、開院当時より、学会活動を通して鍼灸の研究を進めてきました。今回も院長と副院長が、それぞれ発表します。また、院長は「well-being」、副院長は「産科領域」の座長も努めます。
今回の大会のテーマは「女性のみかたⅡ-フェムテックによる女性のWell-beingに貢献する鍼灸-」です。様々な視点で、鍼灸に関する話が聴けるので、楽しみにしています。
ご興味のある方は、https://www.taikai.jsam.jp/ をご覧ください。
小井土 善彦 2025年05月21日
5月18日は、東京都鍼灸マッサージ師会が開催した周産期の勉強会に行ってきました。演者の百枝先生は、現代医療鍼灸臨床研究会にご登壇いただいた際にお話しを伺ったことがあり、現在は院長として愛育病院に勤務されています。鍼灸にご理解がある数少ない産婦人科医で、産科学を学ぶ機会が少ない私たちにも、わかりやすいお話しでした。無痛分娩や産後ケアの現状も知ることができ、充実した1日となりました。
今日も逆子や下肢静脈瘤で困っている妊婦さんの治療に追われています。腰痛や骨盤痛など、妊娠中の不快な症状でお困りの方は、是非ご相談ください。
serie89_admin 2025年05月21日
治療室がある横浜は、このところ蒸し暑く感じる時間が増えてきました。今日は午前中から暖房モードだったエアコンを冷房に切り替え、患者さんと相談しながらオンオフを繰り返しています。厚労省の熱中症ガイドには、「暑熱順化により、早く汗が出るようになり、体温の上昇を⾷い⽌められるようになります。 暑くなる前に⾝体を熱中症対応モードにして、暑さに強い⾝体を作りましょう。」と記載されています。と言っても、少しずつ作っていくことも大切。暑い時ではなく、気温が低い日や、時間帯を利用して、汗をかく準備を始めるのがおススメです。
窓から見える大岡川の水面には、ふわふわと漂っているたくさんのクラゲが見え、海と川の水が交わるこのあたりの水温が高くなってきたことを、知らせてくれます。
夏に向け、暑さに順応できるように、今から準備をしてみてはいかがでしょうか。
せりえ鍼灸室は、妊娠中だけでなく妊活中も更年期も快適に過ごせるように、東洋医学の知恵と技術で、健康づくりのお手伝いをしています。
小井土 善彦 2025年04月30日
昨日、第59回現代医療鍼灸臨床研究会に参加しました。今回のテーマは、「疲労と鍼灸 臨床最前線」。実に興味深い内容でした
さて、日々の生活で「なんだか疲れが取れない…」と感じることはありませんか?私たちの身体は、疲労という実際のダメージと、疲労感という「疲れている」という感覚の、ふたつのサインを出していて、この2つは、似ているようで実は違うようです。
●「疲労」は体の機能が落ちている状態のこと
たとえば、長時間パソコン作業をして、肩や目が重くなるといったことがあります。これは筋肉や神経、脳などが「もう限界に近いよ」と出している生理的なサインで、これが「疲労」です。
●「疲労感」は体からのアラーム
一方で、「今日はなんだかしんどいな」「やる気が出ない」というのは、身体が出している警告信号(アラーム)のようなもの。これが「疲労感」です。このアラームは、休んだほうがいいよ!という大切なメッセージ。
でも、疲労感を感じにくい人もいます。
頑張りすぎるタイプの方や、責任感が強い方は、「しんどさ」を自覚しないまま働き続けてしまうことも…。危ないタイプ!
●鍼灸は、「疲労」と「疲労感」の両方にアプローチすることが可能です。
鍼やお灸は、こり固まった筋肉をゆるめたり、自律神経のバランスを整えたりすることで、体の疲れ(疲労)を和らげるのはもちろん、心の疲れ(疲労感)にも働きかけます。
「自分がどれくらい疲れているのか分からない」「最近なんだか不調」と感じたら、それは身体からのアラームが鳴っているサインかもしれません。
無理せず、ぜひ一度リセットしにいらしてくださいね。
小井土 善彦 2025年04月13日
今日は「汗」について考えてみます。
4月も中旬になりました。雨が降るとまだまだ寒さを感じますが、湿度が高くなることで、重ね着をしていると、汗が出そうになることがあります。出始めの汗は、ベタベタしたり、臭いが気になるようは、いゃ〜な感じがしませんか?夏に向けて、学生の頃のように、サラサラした気持ち良い汗をかきたいものです。
汗腺には、手のひらや足の裏に分布している汗腺(アポクリン汗腺)とそのほかの体表の多くに分布する汗腺(エクリン汗腺)が、一般によく知られています。
汗は、水分が蒸発するときに発生するエネルギーにより、身体を冷やしてくれる放熱システムです。気温が高いところでも、汗が出れば体温は適度に下がり、体温を調整してくれます。逆に、寒いところでは、汗を出さないことで放熱を抑制し、体温が必要以上に下がるのを防いでくれます。
私は、患者さんの皮膚の状態を良く観察します。汗もそのひとつ。私にとって汗は、汗を出す汗腺の機能が、しっかり働いているのか?いないのか?を判断するための大切な情報源です。湿度が高いところでは、水分が蒸発しにくくなるので、汗は出にくくなります。当院がある横浜も、梅雨前から湿度が高くなる地域。患者さんの汗が気になります。
また、汗を出す汗腺には、もうひとつ大切な機能があることが知られています。みなさんもご存じのように、栄養素には、糖質、脂質、タンパク質に加え、ビタミンやミネラルがあり、そのミネラル(電解質)には、ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム、マグネシウムなどがあります。汗の主な成分は、水と塩化ナトリウム(塩分)です。汗腺には、水分の調整とともに過剰な塩分を体外に排泄する機能があります。その一方で、身体にとって必要なミネラルを再吸収する機能も備えています。小さな腎臓と言われるゆえんです。
ミネラルは、健康維持、体調管理には欠かせない栄養素。汗をかきにくいことは、体温の調整だけでなく、ミネラルを再吸収する汗腺の機能が低下し、疲れやすくなる要因のひとつと言われています。
汗をキーワードに体調を観察してみるのは、いかがでしょうか?
小井土 善彦 2025年03月19日
愛知県鍼灸マッサージ師会が主催して実施した鍼灸✖️助産プロジェクトの事業『鍼灸師のための周産期ケア講座』が、今回で5回目になりました。今回は、当院から辻内、井上、小井土が講師として参加します。21日(金)は、臨時休診となります。22日(土)からは平常通りとなります。ご不自由をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
小井土 善彦 2025年03月07日
寒暖の差が激しく、着るものにも気を遣うこの頃です。また、この時期は新年度に向け様々な変化や準備に追われ、何かと慌ただしく時間が過ぎていきます。疲れたーと、感じても、一晩ぐっすり眠ればリセットされて、翌日は元気に過ごせていたのに、歳を重ねるごとに回復力が衰えたのか、翌日まで疲れが残ってしまう日が多くなります。疲れも、ただの疲れではなく、問題が隠れていることがあるので医療機関を受診するなど、適切な対応が必要ですが、検査をしても特に問題が見つからない場合は、東洋医学の視点で身体全体をチェックして、鍼灸などにより対処することも一案です。私が所属している研究会の今回のテーマは、ズバリ「疲労と鍼灸」です。
翌日からの臨床に役立つ情報を、がっちり入手したいと思っています。
小井土 善彦 2025年02月26日
妊娠に伴う生理的な変化は、女性の心身に様々な症状を引き起こします。その中でも、腰部や仙腸関節周囲の痛みは、妊娠中の女性の60~70%にみられ、症状の程度はごく軽いものから、日常生活に支障をきたすほど強いケースもあります。また、産後まで継続する痛みにより、育児に支障をきたし、QOLを著しく低下させるケースもあり、妊娠・出産・産後の育児期における生活の質を向上させる観点からとらえなおすことが必要であると言われています。日本では、妊娠中の腰痛は、装着による保存療法で対処されることが多く、様々な骨盤ベルトが販売されています。また、インターネットでは、「骨盤矯正」の文字が飛び交い、様々な情報であふれています。一方、鍼灸では、自己治癒力を高めることを治療原理としており、肩こりや不眠などその他の症状も同時に改善することが期待できます。腰部や仙腸関節周辺の痛みに対して、痛みがある部位に直接アプローチしなくても、膝から先のツボに施術することで痛みが軽減することを、しばしば経験します。妊娠や出産は母体の仙腸関節に大きな負担をかけますが、自己治癒力を発揮できるように産後の環境が整っていれば、骨盤は自分の力で矯正し、骨盤矯正を目的とした特別な施術やケアは必要ないと言えます。当院が行っている妊娠中の腰痛に対する鍼灸治療を、後ろ向きに観察した研究の一部を簡単にご紹介します。
対象は、骨盤ベルトを装着していたにも関わらず腰痛が改善しないため当院を訪れた妊娠中の女性20例です。初診時の週数は、30.1±5.8週。治療期間は5.4±4.4週。治療回数は4.4±1.3回。治療部位は、下腿の経穴が中心です。痛みの尺度として用いたVAS(Visual Analog Scale)で観察したところ、45.4±29.9mmから21.7±22.3mmに有意(p=0.0339)に減少し、骨盤ベルト装着を併用した妊娠中の腰痛に対し鍼灸治療を併用することにより痛みの程度が軽減したことが分かりました。
小井土善彦,辻内敬子,形井秀一. 妊娠中の腰痛に対する鍼灸治療の効果(第3報)-VASとRDQを用いた骨盤ベルト装着の有無による差違の検討-.第61回全日本鍼灸学会学術大会抄録集;2012:237会議録より一部引用改変
せりえ鍼灸室は、妊娠中のマイナートラブルの改善に安心して鍼灸治療を受けていただけるように、助産師資格を有している鍼灸師による施術を提供しています。妊活から産後の育児期まで、是非ご利用ください。
小井土 善彦 2025年02月25日
妊産婦さんの負担を少しでも軽減し、自殺に至るケースを無くそうと、様々な施策が実施されています。自殺の要因は複数あり、それぞれが複雑に絡んでいると考えられています。近年注目されている産後うつは、程度や緊急性も様々で、鍼灸師だけでは対応できないケースもあり、保健所や医療機関との連携が欠かせません。そんな中、女性鍼灸師フォーラムの学習会で、貴重なお話を聴くことができました。
東洋医学の基本を忘れずに、患者さんを診て、治療を組み立てることを再認識しました。
ところで、産後の不調に対して、鍼灸師ができることは、妊娠中にお子さんに授けて、少なくなってしまったご自身の元気の元となる「原気」が順調に戻って来るように、自己治癒力を高めることに尽きると、私は思っています。東洋医学は西洋医学とは異なり、私たちの元気の元となる(原気)は、産まれた際に親(主にお母さん)から授かった原気(先天の気)に、産まれた後に食べたり飲んだりして取り入れた地(陰)の気と空気中に含まれている天(陽)の気(後天の気)を合算してできています。その原気を溜める役割を担っている機能ユニットを腎という言葉をあてて表現しています。体に取り込んだ食べ物や飲み物を消化する役割は、脾と胃が一体となり担っています。それと同時に、肺は、ゆったりとした大きな呼吸で天の気を取り込む役割を果たしていると考えています。鍼灸は、そのような臓腑経絡論という説を唱え、それを元に治療を組み立ててきました。鍼灸治療により、産後の不調にアプローチする際は、不調の原因が重大な疾患によるか否かや適応不適応を見分け、適応と判断され臓腑経絡論で説明可能な症状や不調に対し、臓腑経絡経穴論を元に治療を組み立てていきます。
せりえ鍼灸室では、産後も利用していただけるようにベビーベッドを設置しています。妊娠準備期から産後まで、肩こり、腰痛、骨盤ケア、乳汁分泌不足・過多、疲れなど様々症状に対して、助産師さんの資格を有する鍼灸師から、幅広いアドバイスやケアを受けることができます。