小井土院長ブログ

いゃ〜な汗

小井土 善彦 2025年04月13日

今日は「汗」について考えてみます。

4月も中旬になりました。雨が降るとまだまだ寒さを感じますが、湿度が高くなることで、重ね着をしていると、汗が出そうになることがあります。出始めの汗は、ベタベタしたり、臭いが気になるようは、いゃ〜な感じがしませんか?夏に向けて、学生の頃のように、サラサラした気持ち良い汗をかきたいものです。

汗腺には、手のひらや足の裏に分布している汗腺(アポクリン汗腺)とそのほかの体表の多くに分布する汗腺(エクリン汗腺)が、一般によく知られています。

汗は、水分が蒸発するときに発生するエネルギーにより、身体を冷やしてくれる放熱システムです。気温が高いところでも、汗が出れば体温は適度に下がり、体温を調整してくれます。逆に、寒いところでは、汗を出さないことで放熱を抑制し、体温が必要以上に下がるのを防いでくれます。

私は、患者さんの皮膚の状態を良く観察します。汗もそのひとつ。私にとって汗は、汗を出す汗腺の機能が、しっかり働いているのか?いないのか?を判断するための大切な情報源です。湿度が高いところでは、水分が蒸発しにくくなるので、汗は出にくくなります。当院がある横浜も、梅雨前から湿度が高くなる地域。患者さんの汗が気になります。

また、汗を出す汗腺には、もうひとつ大切な機能があることが知られています。みなさんもご存じのように、栄養素には、糖質、脂質、タンパク質に加え、ビタミンやミネラルがあり、そのミネラル(電解質)には、ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム、マグネシウムなどがあります。汗の主な成分は、水と塩化ナトリウム(塩分)です。汗腺には、水分の調整とともに過剰な塩分を体外に排泄する機能があります。その一方で、身体にとって必要なミネラルを再吸収する機能も備えています。小さな腎臓と言われるゆえんです。

ミネラルは、健康維持、体調管理には欠かせない栄養素。汗をかきにくいことは、体温の調整だけでなく、ミネラルを再吸収する汗腺の機能が低下し、疲れやすくなる要因のひとつと言われています。

汗をキーワードに体調を観察してみるのは、いかがでしょうか?

お問い合わせ・ご予約はこちら

お問い合わせフォームはこちら

ページトップへ

プロフィール

profile_01

せりえ鍼灸室院長
小井土 善彦
現代はストレス社会と言われていますが、その「ストレス」という言葉の由来は、1936 年頃、カナダの生理学者ハンス・セリエ氏(Hans Selye)が発表した「ストレス学説」にあります。 セリエ氏は一定の「ストレス」を感じると、体に一連の症状が現れることを発見しました。...

続きはこちら

辻内敬子

せりえ鍼灸室副院長
辻内 敬子
私たちは、女性の元気と美しく輝く人生を応援しています。貴方が母となることを選択した時から、そして妊娠した時から、幸せに満ちた人生のために、体と心 のケアを行います。 妊娠したらゴールではありません。妊娠期間中に出産準備のための体作りが必要です。...

続きはこちら

  • せりえ鍼灸室