小井土院長ブログ

産後の不調

小井土 善彦 2025年02月25日

妊産婦さんの負担を少しでも軽減し、自殺に至るケースを無くそうと、様々な施策が実施されています。自殺の要因は複数あり、それぞれが複雑に絡んでいると考えられています。近年注目されている産後うつは、程度や緊急性も様々で、鍼灸師だけでは対応できないケースもあり、保健所や医療機関との連携が欠かせません。そんな中、女性鍼灸師フォーラムの学習会で、貴重なお話を聴くことができました。

東洋医学の基本を忘れずに、患者さんを診て、治療を組み立てることを再認識しました。

ところで、産後の不調に対して、鍼灸師ができることは、妊娠中にお子さんに授けて、少なくなってしまったご自身の元気の元となる「原気」が順調に戻って来るように、自己治癒力を高めることに尽きると、私は思っています。東洋医学は西洋医学とは異なり、私たちの元気の元となる(原気)は、産まれた際に親(主にお母さん)から授かった原気(先天の気)に、産まれた後に食べたり飲んだりして取り入れた地(陰)の気と空気中に含まれている天(陽)の気(後天の気)を合算してできています。その原気を溜める役割を担っている機能ユニットを腎という言葉をあてて表現しています。体に取り込んだ食べ物や飲み物を消化する役割は、脾と胃が一体となり担っています。それと同時に、肺は、ゆったりとした大きな呼吸で天の気を取り込む役割を果たしていると考えています。鍼灸は、そのような臓腑経絡論という説を唱え、それを元に治療を組み立ててきました。鍼灸治療により、産後の不調にアプローチする際は、不調の原因が重大な疾患によるか否かや適応不適応を見分け、適応と判断され臓腑経絡論で説明可能な症状や不調に対し、臓腑経絡経穴論を元に治療を組み立てていきます。

せりえ鍼灸室では、産後も利用していただけるようにベビーベッドを設置しています。妊娠準備期から産後まで、肩こり、腰痛、骨盤ケア、乳汁分泌不足・過多、疲れなど様々症状に対して、助産師さんの資格を有する鍼灸師から、幅広いアドバイスやケアを受けることができます。

 

 

 

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小井土 善彦
現代はストレス社会と言われていますが、その「ストレス」という言葉の由来は、1936 年頃、カナダの生理学者ハンス・セリエ氏(Hans Selye)が発表した「ストレス学説」にあります。 セリエ氏は一定の「ストレス」を感じると、体に一連の症状が現れることを発見しました。...

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辻内敬子

せりえ鍼灸室副院長
辻内 敬子
私たちは、女性の元気と美しく輝く人生を応援しています。貴方が母となることを選択した時から、そして妊娠した時から、幸せに満ちた人生のために、体と心 のケアを行います。 妊娠したらゴールではありません。妊娠期間中に出産準備のための体作りが必要です。...

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