小井土院長ブログ

妊娠中のマイナートラブルと鍼灸治療

小井土 善彦 2025年02月21日

せりえ鍼灸室で実施した臨床研究の一部を改編してご紹介します。

妊娠中のマイナートラブル(MS)は、医学的に母児への影響が少なく、出産後には自然に消滅する症状が多い。MSは、妊婦にとっては幸い症状であるにも関わらず、出産まで我慢することや自助努力で対処することがほとんどです。しかし、妊娠中を心身共に快適に過ごすことは、分娩や産後の生活にも影響を及ぼすと言われています。一方、鍼灸は、腰背部痛、骨盤部痛、肩こりなど運動器の症状や冷えなど自律神経系の症状に加え、イライラや睡眠障害などの諸症状の緩和に有用である可能性があります。妊婦マイナートラブルに対する鍼灸の影響を,質問票を用い,骨盤位の妊婦を対象に介入群と対照群で検討しました。その結果、妊婦のマイナートラブル(40症状)に対して、鍼灸が与える影響を検討した結果、介入群に発症数と発症率の減少がみられたことから、妊婦のマイナートラブルの軽減とQOLの向上に鍼灸は選択肢となる可能性があることがわかりました。

妊娠中のマイナートラブルと鍼灸治療

辻内敬子、小井土善彦、木津正義、形井秀一. 妊婦のマイナートラブルに鍼灸治療が与える影響. 母性衛生 2017; 58(2): 443-51.より

当院では、逆子が治っても腰痛や肩こり、冷え、不眠などの改善や安産に向けた健康増進を目的に、出産近くまで治療を継続する方がいらっしゃいます。

妊娠や出産は、お母さんの元気を大きく消耗します。それは計画分娩や麻酔(無痛)分娩も同じです。妊活中から産後の育児期に向けた健康づくり(プレコンセプションケア)が注目されています。体力に自信がない、疲れやすい、腰痛、むくみや冷えなど様々な症状がある方、元気に育児をスタートさせたい方も、当院の鍼灸治療を是非ご活用ください。

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プロフィール

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せりえ鍼灸室院長
小井土 善彦
現代はストレス社会と言われていますが、その「ストレス」という言葉の由来は、1936 年頃、カナダの生理学者ハンス・セリエ氏(Hans Selye)が発表した「ストレス学説」にあります。 セリエ氏は一定の「ストレス」を感じると、体に一連の症状が現れることを発見しました。...

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辻内敬子

せりえ鍼灸室副院長
辻内 敬子
私たちは、女性の元気と美しく輝く人生を応援しています。貴方が母となることを選択した時から、そして妊娠した時から、幸せに満ちた人生のために、体と心 のケアを行います。 妊娠したらゴールではありません。妊娠期間中に出産準備のための体作りが必要です。...

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