小井土院長ブログ

子どもの体調管理に小児はり(こどもはり)

辻内 敬子 2024年07月24日

こんにちは せりえ鍼灸室です

小児はりは、金属の棒や板状のもので、皮膚表面を摩擦する軽い刺激が中心です。子どもだけでなく、大人にも使うことがあります。小児はり(しょうにはり)という名前をつけて行う、摩擦刺激を行うはり治療です。

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1. 小児はりの特徴

  • 軽い触圧刺激: 小児はりは、針を皮膚に刺さず、軽くこすったりする刺激を行います。この手法は、子どもから赤ちゃんの敏感な皮膚に適しており、痛みや不快感がほとんどありません。
  • 非侵襲的なアプローチ: 針を刺さないため、身体に負担がかからず、安全性が高い治療法です。

 この小児鍼が効果的なことについては、効果のメカニズムを研究している先生がいます。森ノ宮医療大学の松熊秀明先生です。

 摩擦する刺激が心地よい刺激となり、オキシトシンの分泌を促す可能性について考えられています。オキシトシンは「愛情ホルモン」とも呼ばれて、安心感を促進し、親子の絆や信頼関係の形成にも貢献しています。

1. 自律神経の調整: 軽い触圧刺激は、自律神経系に働きかけ、交感神経と副交感神経のバランスを整える効果があります。特に、過剰に活発な交感神経を落ち着かせ、副交感神経を優位にすることで、リラクゼーションを促進し、子どもの情緒や体調を安定させます。

2.皮膚感覚の刺激: 皮膚からの感覚信号が脳に伝わり身体全体の調和をもたらします。皮膚には多くの神経受容器があり、軽い刺激でも神経系全体に影響を与えることができます。

3.摩擦による皮膚刺激とオキシトシンの関係:摩擦刺激は、軽く軽くなでるので、皮膚の神経受容器を活性化し、脳に信号が伝わることで、オキシトシンの分泌が促進されると考えられています。

4.オキシトシンの役割:小児はりの軽い摩擦刺激が、オキシトシンの分泌を促すことで、リラックス効果や不安の軽減に関連していると考えられます。これにより、子どもの情緒安定や身体の調整が促進されていくことが期待されています。

 

オキシトシンの作用

  • 安心感とリラックス: オキシトシンは、副交感神経を優位にし、リラックス効果をもたらしてくれます。これにより、子どもの情緒が安定し、睡眠の質や消化機能の改善にもつながります。
  • 愛情の強化:親子の愛着形成を強化するホルモンです。親子の触れ合いや治療者との信頼関係にも影響し、その効果を高める可能性があります。

適応症

小児はりは、以下のような症状に対して効果があるとされています:

  • 夜泣き、神経過敏症
  • 食欲不振や消化不良
  • 便秘、下痢
  • 風邪予防
  • アトピーやアレルギー症状の緩和

小児はりは、軽い触圧刺激で、自律神経の調整や体調のバランスを整え、子どもの身体と心の健康を支えます。子どもの落ち着かない状況が気になったら、ご相談ください。

#子どもの健康.#小児鍼

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プロフィール

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せりえ鍼灸室院長
小井土 善彦
現代はストレス社会と言われていますが、その「ストレス」という言葉の由来は、1936 年頃、カナダの生理学者ハンス・セリエ氏(Hans Selye)が発表した「ストレス学説」にあります。 セリエ氏は一定の「ストレス」を感じると、体に一連の症状が現れることを発見しました。...

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